中国のビザ免除は2026年12月31日まで。年末年始をまたぐ旅程はどうなるのか
August 24, 2026 · 1 min read
12月28日に羽田を発って、1月3日に成田へ戻る。年末年始の中国旅行としては、ごく普通の形です。この旅程には、いま誰も答えを持っていない部分があります。1月1日の朝、あなたがビザなしで中国にいる根拠は何なのか。
中国の一方的ビザ免除は、北京時間2026年12月31日24時までと書かれています。2026年8月24日時点で、2027年への延長は発表されていません。年をまたぐ旅程は、紙の上では終わっている制度の上に着地することになります。
2026年8月24日時点でわかっていること
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 日本の一般旅券への30日ビザ免除 | 有効。北京時間2026年12月31日24時まで |
| 2027年への延長 | 未発表。日付も草案も出ていない |
| ロシア | 別枠で2027年12月31日まで延長済み |
| ブルネイ | 期限の記載がない |
| 240時間ビザ免除トランジット | 有効。終了日の記載なし。日本も対象 |
| 海南省の30日ビザ免除 | 有効。ただし海南省の外には出られない |
| 12月28日入国、2027年1月出国 | どの通知にも書かれていない |
数字の並びより、最後の行のほうが今回の主題です。入国が12月で出国が1月という形について書いた文が、探した範囲でひとつも見つかりませんでした。
日本が対象に戻った日の通知には、何が書いてあるか
日本の一般旅券が対象に戻ったのは2024年11月30日です。駐日中国大使館のビザ免除措置対象国の範囲拡大に関するお知らせ(2024年11月22日付)に、こうあります。
北京時間2024年11月30日0時から2025年12月31日24時まで、(略)日本の一般旅券を所持し、商業・貿易、観光、親族訪問、交流・訪問、トランジットを目的とする、中国に30日以内に滞在する人員に対し、入国ビザを免除します。
就労と留学が外れているのは、この文の裏返しです。目的が合っていて30日以内であれば、事前の申請も登録もいりません。同じ大使館の一方的なビザ免除政策に関するQ&A(2024年11月30日付)は、当時の対象を38カ国と数えています。そこから対象は増え続け、2026年2月17日には英国とカナダも入りました。
期限のほうは2025年11月3日に一度動いています。中国外交部が日本を含む45カ国について2026年12月31日まで延ばすと発表し、条件は据え置きでした(ジェトロのビジネス短信、2025年11月5日)。日本側の案内は在中国日本国大使館にも出ています。
引用した一文は、何と何のあいだを区切っているのか
もう一度読んでみてください。期間が挟んでいるのは「入国ビザを免除します」です。免除されるのは入国のためのビザで、それが要るか要らないかが決まるのは審査ブースを通る瞬間しかありません。「30日以内に滞在する」は、その入国にぶら下がった条件であって、期間が測っている量ではない。
英語の通知はもう少し露骨です。駐英中国大使館の通知は、期間で "enter China and stay for up to 30 days" を挟んでいます。窓が抱えている動詞は enter のほうです。滞在日数の数え方も、入国日ではなく入国の翌日から起算して30日という、旅行者ごとに走る別の時計になっています。
素直に読むなら、窓の内側になければならないのは入国日です。12月28日に入れば30日は2027年1月27日まで走る。私たちもその読み方が正しいと考えています。そのうえで、旅行を賭ける対象にはしないほうがいいとも考えています。
それでも賭けにならない理由
書かれていないことは、どちらの方向のヒントでもありません。駐日大使館の通知とQ&A、駐英大使館の通知、中国外交部の発表を読みましたが、制度の期限より長く続く滞在に触れた一文はどこにもありませんでした。
前例もありません。境界に到達したことが一度もないからです。最初の試行は2024年11月30日で切れる予定でしたが、8日前の11月22日に延長されました。次の2025年12月31日という期限も、11月3日に前倒しで延ばされています。この制度が失効した朝に中国国内にいた人は、まだ一人もいません。判断を求められた審査官も、まだ一人もいません。
そして判断する場所は、浦東の入国審査カウンターか、宿泊登記を受け付ける派出所です。その週の文面をそのまま当てる人が相手になります。1月2日の朝に、こちらの解釈のほうが正しいと説明する立場は、欲しい立場ではありません。
年末年始が、境界線の真上に乗っている
ここが日本の読者にとって、英語圏の読者と条件が違うところです。行政機関の年末年始休みは12月29日から1月3日まで。2026年は12月29日が火曜で、12月28日の月曜に一日足せば12月26日(土)から1月3日(日)までの9連休になります。日本で一番大きい海外旅行の窓が、そのまま制度の境界をまたぐ形をしている。年に一度の例外ではなく、年に一度の定番のほうが当たっています。
距離も味方をしません。羽田から上海浦東までは3時間前後、成田から北京までは4時間前後、関西から上海なら2時間半ほど。近いぶん、11月末や12月頭に決める人が多い。ちょうど延長が出るか出ないかを見極めたい時期と、航空券が高くなる時期が重なります。
またがない形はひとつだけあります。12月31日までに日本へ戻ること。年越しは家で、という人にはむしろ自然な形で、12月26日発の12月31日帰着なら、入国も出国も窓の内側で終わります。行きたい都市が上海か青島くらいの距離なら、5泊でも足ります。
その先の連休はどちらも2027年です。春節は2027年2月6日で、中国国内が最も動く時期。ゴールデンウィークは4月29日(木)から5月5日(水)で、4月30日(金)を取れば7連休。どちらも、いまは根拠になる制度がない日程です。
またぐなら動かす。2027年だけなら、まだ申請しない
逆を向いた二つの判断になります。
滞在が2027年に入るなら、何かを動かしてください。入国を前に倒して12月中に終わらせるか、観光のLビザを取って考えるのをやめるか。非対称が答えを決めます。査証料は一次査証で2,250円(駐日大使館の中国査証基本料金の引き下げ措置延長についてのお知らせ、2025年12月30日付。この引き下げ自体も2026年12月31日までです)。これにビザ申請センターの申請手数料5,000円(税抜、普通申請)が乗り、料金表どおりなら合計7,250円ほど。2026年8月24日に確認した数字です。2025年6月30日からは申請書をオンラインで作成して書類をアップロードしたうえでセンターに出向く形になりました。数営業日と7,250円と、有明までの往復。読み違えたときに失うのは1月3日の便のほうです。
旅程が丸ごと2027年に収まるなら、航空券は買って、ビザは待つ。いま申請するのは早すぎます。
待つのは楽観ではなく、中国側の算数です。2025年にビザなしで入国した外国人は3,008万人、外国人入国者全体の73.1%で、前年比49.5%増でした。国家統計局が2026年2月28日に公表した数字です。制度はこれまでに2回延長され、対象国も増え続け、2026年5月にはロシア国民について2027年12月31日までが確定しています。この数字を出す政府が、蛇口の閉め方を探しているとは考えにくい。
なので、希望ではなく日付を持ってください。2026年12月1日。過去2回の延長はどちらもこの日より前に出ています。その朝までに何も出ていなければ申請する。あとから発表が来たら、使わずに済んだ保険料だと思えばいい。
発表が遅れたときの手と、日付を動かせる組み方
普通のLビザが退屈で、そして完全な答えです。取ってしまえば、ここまでの話は全部あなたに関係なくなります。
短い旅なら240時間ビザ免除トランジットがあります。終了日の記載がない別の制度で、新華社によれば2026年8月20日にキルギスとベトナムが加わって57カ国。日本は国家移民管理局のリストに入っています。24の省・自治区・直轄市にある65カ所の口岸から入国でき、滞在は最大10日。条件は飾りではなく、第三国・地域行きの座席と日付が確定した航空券が要ります。羽田から上海に入って羽田に帰る形は通りません。羽田、上海、ソウル、羽田なら通ります。ベトナムが追加されたときに仕組みを整理しました。
海南省は三つ目で、一番狭い選択肢です。59カ国、30日、省の外に出られない。中国旅行ではなくビーチ休暇として組むなら成立します。
組み方の話も、ひとつだけ。入国日を、最後まで安く動かせる項目にしておくこと。往路の日付変更ができる運賃を、多少高くても取る。その差額が今回のヘッジそのものです。12月1日は「そのうち考える」ではなく、日付の入った予定として入れておく。入国日を4日ずらしたら、後ろの宿も列車も全部組み直しになるので、手で書き直す文書に固めるより、入国日を変えたら計算し直してくれる場所で組んだほうが楽です。
出発前に片づけておくものがもうひとつ。日本の携帯会社の海外パケット定額と中国のネットワークの相性は良くなくて、到着ロビーは料金が育ちやすい場所です。1日定額と旅行用eSIMの実際の差額に数字を並べています。
延長はおそらく11月に来ます。2024年も2025年もそうでした。ただ「おそらく」は入国審査で見せられる書類ではないので、北京の日付を待つあいだ、こちらはこちらの日付を決めておく。
2027年に触れる中国旅行を組むなら、Travolpで作ってください。入国日を動かしても、後ろが自分でついてきます。