ESTA料金は6,391円。2026年、アメリカ入国に日本のパスポートで払う金額
August 24, 2026 · 1 min read
ESTAの申請料金は40.27ドルです。2026年8月21日のレート(1ドル=158.70円)で6,391円。ドルで見れば大した額ではありません。問題は158.70という数字のほうです。
前回ESTAを取ったのが海外旅行が戻りはじめたころなら、そのときのレートは違いました。2022年5月26日は1ドル=127.09円、ESTAは21ドルで2,669円でした。いま同じ手続きが6,391円。ドル建てでは1.9倍、円建てでは2.4倍です。差の分は値上げではなく為替です。
そして同じ為替が、アメリカ旅行で払う残り全部にも掛かります。入国料は、その一番小さくて一番目立つ部分にすぎません。
この記事の数字は2026年8月24日に、連邦官報、国土安全保障省、国務省の料金表で確認しました。円換算は1ドル=158.70円(2026年8月21日、欧州中央銀行の参考レートから算出)で統一しています。カード払いなら海外事務手数料が乗るので、実際の請求額はこれより少し高くなります。
日本のパスポートで、いま払うもの
日本は1988年12月15日からビザ免除プログラム(VWP)の対象国です(国土安全保障省のVWP参加国一覧)。90日以下の短期商用・観光なら、事前に払うのはESTAだけ。その40.27ドルは、性格の違う3つの料金を足したものです。
| 内訳 | 金額 | 円換算 | 請求されるタイミング |
|---|---|---|---|
| 渡航促進費 | 17ドル | 2,698円 | 認証が下りた場合のみ |
| HR-1(2025年成立)による加算 | 13ドル | 2,063円 | 認証が下りた場合のみ |
| CBPのシステム運用実費 | 10.27ドル | 1,630円 | 承認・不承認を問わず |
| 合計 | 40.27ドル | 6,391円 | 2026年1月1日から |
40ドルになったのが2025年9月30日、40.27ドルになったのが2026年1月1日です。27セントはインフレ調整で、2025年7月の消費者物価指数が前年同月から2.70%上がったことによります。内訳と計算はDHSが2025年11月19日付の連邦官報に出しています。
空路と海路で入る限り、他の項目は関係ありません。陸路でI-94を申請する人の30ドル(約4,800円)はカナダやメキシコから車で越える話ですし、EVUSは中国の10年B ビザ保持者向け、ビザ保証金は指定された50カ国の申請者向けです。承認されたESTAは2年間有効で、その間は何度でも渡米できます。
値上げよりも、円のほうが効いています
ESTAの値上げは、円建てで3,722円ぶんでした。2022年5月の2,669円から、いまの6,391円まで。同じ物差しで旅行全体を測ってみます。
航空券を別にして、10日間の旅行で現地に3,000ドル使うとします。ホテル、食事、地下鉄とUber、それに入場料の合計です。2022年5月26日のレートなら381,270円、2026年8月21日のレートなら476,100円。同じ内容の旅行で94,830円の差がつきます。ESTAの値上げ分の25倍です。
もっと短く言えます。1ドルが10円動くと、3,000ドルの支出は3万円動く。ESTA約4.7回分が、為替の数日ぶんの値幅に入ってしまいます。
だからいまアメリカ旅行の予算を組むなら、最初に決めるのは入国書類の金額ではなく、どのレートで換算するかです。入国料が6,391円になったことに反応して日程を1日削るのは、順序が逆になっています。1日削れば現地の支出が数百ドル減り、円建てではその何倍も効く。反応するなら、そちらの数字にです。
現地の通信費も同じ為替の上に乗っています。どこで切り替えると安くなるかはローミング料金とeSIMの損得計算に書きました。
パスポートを更新すると、ESTAは無効になります
ESTAは承認から2年有効ですが、パスポートの有効期限が先に来る場合はその日で切れます(8 CFR 217.5)。ここはよく知られています。見落とされるのは逆向きの話です。パスポートを新しく取り直すと、期間が残っていたESTAはそのまま使えなくなります。氏名、性別、国籍が変わったときも同じ。いずれも再申請、つまり6,391円をもう一度払うことになります。在日米国大使館のESTA申請ページにそのまま書かれています。
順番だけの問題です。パスポートの切り替えを考えているなら、ESTAより先に済ませてください。逆にすると2回払います。
日本のパスポートには有利な条件もあります。多くの国籍の渡航者は「滞在期間+6カ月」の残存有効期間を求められますが、日本は国別協定(Six-Month Club)の対象で、米国入国日から日本に帰国するまで有効であれば足ります。
申請の時期について、大使館の案内は航空券の予約時、遅くとも渡米の72時間以上前としています。2年有効なので早く出して損はありません。記入にかかる平均時間は約23分だそうです。
不承認でも1,630円は請求されます。代行サイトはもっと高い
表の10.27ドルは、CBPがシステムの運用実費として、認証が下りたかどうかに関係なく全ての申請から取ります。連邦官報の文言は「承認・不承認を問わず、全ての申請について必要」です。残りの30ドルは認証が出た場合だけ。つまり不承認になっても1,630円は戻りません。
ただ、日本ではこの1,630円よりずっと大きな金額が、避けられるのに毎年出ていっています。
国民生活センターが2025年8月6日に出したESTA等の申請代行サイトに関する注意喚起によると、PIO-NETに登録された相談件数は2021年度78件、2022年度384件、2023年度1,022件、2024年度1,022件。2025年度は6月30日までの登録分だけで354件あり、前年同期の169件から倍増しています。中身はほとんど同じで、検索して上位に出たサイトを公式だと思って申請したら、想定していなかった代行手数料を請求された、というものです。
在日米国大使館も同じ注意を出しています。「第三者が無許可で情報提供料や申請手数料を要求する模倣ウェブサイトにご注意ください。これらのビジネスやウェブサイトは米国政府とは一切関係ありません」。
公式サイトは1つです。esta.cbp.dhs.gov。ドメインの末尾が .gov であること、支払い画面の金額が40.27ドルであることを確認してください。別の金額が出たら代行サイトです。CBPのESTAのよくある質問は日本語で読めます。検索結果の1行を見間違えるコストは、今回の値上げより高くつきます。
ビザが要る場合と、面接の空き
日本国籍でも、90日を超える滞在、就労、留学ならビザが必要です。日本に住む外国籍の方も、国籍によってはこちら側になります。
申請料(MRV)は185ドル、約29,400円。国務省のビザ料金表に載っています。これに加えて、非移民ビザが発給された人には250ドル、約39,700円のvisa integrity feeがかかります。合計435ドル、約69,000円。航空券を買う前に出ていく金額です。
この250ドルを「条件を満たせば還付される」と説明する記事が多いのですが、ここは立場を取ります。戻らないものとして予算に入れてください。
根拠法(HR-1第100007条、現8 USC 1806)は、国土安全保障長官が還付を「行うことができる(may)」と書いており、「行う(shall)」ではありません。免除も減額もできません。還付を検討できるのはビザの有効期間が満了した後、10年のB1/B2なら10年後です。そのうえで2026年8月24日時点で、この手数料を実施するための国務省の規則制定は連邦官報に見当たらず、上の料金表にもこの項目の行がありません。徴収している窓口と、していない窓口があります。裁量の判断と、10年の待機と、まだ動いていない仕組みを前提にした払い戻しは、預けたお金とは呼べません。
待ち時間のほうは、パスポートよりも申請する窓口で決まります。国務省のGlobal Visa Wait Times(2026年6月18日更新)から抜きます。
| 窓口 | B1/B2面接の次の空き |
|---|---|
| 東京 | 2.5カ月 |
| 大阪・神戸 | 1.5カ月 |
| 那覇 | 1.5カ月 |
| ソウル | 0.5カ月未満 |
| ボゴタ | 9カ月 |
| トロント | 21.5カ月 |
日本の3つの窓口は、世界で見ればかなり空いているほうです。トロントの21.5カ月と並べると、同じ制度には見えません。
国務省はこの待ち時間に対して、2026年7月1日から12月31日まで750ドル(約119,000円)の優先予約を試験的に売っています。規則には、世界の中央値は約30日だが12カ月を超える窓口もあること、2026年のワールドカップと2028年のロサンゼルス五輪を控えて試すこと、25,705人が払うと見込むことが書かれています。買えるのは対象窓口での10営業日以内の予約枠だけで、審査が速くなるわけでも、発給が約束されるわけでもありません。予約を逃せば750ドルは戻りません。東京の2.5カ月に対して払う理由は、まず見当たらないでしょう。
日程を先に固めにくい旅行の組み方は2026年ワールドカップに合わせた旅程の作り方にまとめました。
提案されただけで、まだ規則ではないもの
ESTAでSNSのアカウントを5年分申告することになる、という話を見て検索してきたなら、2026年8月24日時点の答えは「いいえ」です。
CBPは2025年12月10日の連邦官報の通知で、過去5年分のSNSアカウント、過去5年分の電話番号、過去10年分のメールアドレス、IPアドレスと写真のメタデータ、家族の氏名・生年月日・出生地、それに生体情報の収集を提案しました。同じ通知には、ESTAのウェブサイトを廃止してモバイルアプリだけを申請経路にする案も入っています。意見公募は2026年2月9日に締め切られ、その後の通知は出ていません。いまの申請フォームにこれらの欄はありません。
ひとつだけ、緊急承認で先に通った項目があります。パスポートの顔写真ページと一緒に出す自撮り写真です。旅行会社や家族が本人に代わって申請する場合も必要になります。
提案が規則になるのはそれぞれの時間軸で、この件もいずれそうなるかもしれません。ただ、フォームが聞いていないことを先回りして書き込む必要はありません。
料金のほうは動きます。この記事は2026年8月24日時点の連邦官報とtravel.state.govの内容で、ESTAとEVUSは毎会計年度インフレ調整が入るため、1月1日にまたセント単位で変わります。円換算はもっと頻繁に変わります。ヨーロッパ側の入国制度は別の時間軸で進んでいて、そちらの「動いているもの」と「発表されただけのもの」の区別はEESとETIASの現在地にまとめました。